iPhoneに救われた。よく朝起きれば隣になぜか居酒屋の店員が寝ている。この事態を理解するには少しの時間が必要だったが記憶がない。酒を飲んで記憶をなくすタイプの人間ではないつもりだけど。と言いたいばかりの女の怒り顔が目の前にいる。
「変なことはしていないでしょうね」
「何もしてません」
「どうしてここにいるの?」
「お忘れですか?」
「覚えてないから説明して」
「あのですね。居酒屋を出られてからコンビニの前に座り込んでいました」
「コンビニ前で座り込んでいた」
「はい、動けないようなのでおんぶてと言われてお送りした次第です」
「嘘ー」
「あの、iPhoneに録音してあります」
「聞かせて」
聞いて、焦っているのはお客様です。
「胸が苦しいからブラ外して。パンストは伝線しないように脱がして。お水持ってきて。隣で寝て」
全てご指示通りに行ったことです。
独身女子の部屋はグロテスクだ。洗濯機には洗濯物の山。
バイブレーター、ピンクローターもベットの横に出しっ放し。
それがあることすら気が付いていない。
そして、我に帰った女子はそれを隠すのだ。
タンスの中にね。
「では、帰ります」
「あ、ありがとう」
「あの、何もなかったことにしましょうね」
「何もありませんけど」
たった一つ嘘をついたのはブラを外す時に大きなお胸を触ったことかな。
たっぷりぬねたパンティには触らずにね。
さて、大学に行きますよ。
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