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2017年7月16日 by kohsuke Leave a Comment

酔っ払いのお世話は大変

はっきりいて贅沢はできない。田舎からやって来た友人達で楽勝に東京ライフを過ごしている学生もいるけれどもね。俺は居酒屋と学校の往復だよ。東京の大学に来れただけいいさ。さあ、今日も頑張って授業が終わったら仕事だよ。

大学の学食のカレーライスは安くて不味い。
食わないよりはいいだろう。
そう思って学食でカレーを食べてから
図書館に行った。

次の授業までノートを読み返しながら
勉強している。そう書くと真面目だね
と思うかもしれないけど、アルバイトが
生命線の私は、試験中もアルバイトなのだ。
だから、普段勉強しないと確実に単位を
落とすことになる。
だから、ある意味必死だよ。

4限が終わってダッシュで居酒屋にいった。
遅刻せずに到着。着替えてから今日のメニュー
について解説があり裏方の俺も一応聞く。

女子大生2名も元気に開店の準備をしている。
ビールの本数確認をしたら、焦った。
足りない。
「女将さん、ビールが少ないです」
「え?あれ?なんで?ちょっと、あんた注文忘れてない」
「あ!あれ忘れたか?おかしいな。毎日、通常の数は来るはずだ」
「裏もないですけど」
「酒屋に電話しろ」

酒屋に電話したら届けたと言っているが
納品書がない。ということは着ていない。
すると、「すいません」と言って兄ちゃんが
登場した。

「どうした。今日はおせーぞ」
「間違って、配送してしまいました」
酒屋の兄ちゃんもアルバイトだ。

冷蔵庫にビールを並べて冷えるか?
「おい、たらいもってこい。ビールを5分間だけ冷凍庫に入れろ」
はいと返事して言われた通りに冷凍庫に5分入れて、タイマーを
セットした。

タライには、親方が氷を砕いいてやまにした。
そこの、ビールを差し込んだ。
急速に冷えるぜ。
冷凍庫のビールを5分後には冷蔵庫に移す。

18時に客はオンタイムで入って来る。
女将さんが暖簾をあげれば開店だ。

「いらしゃいませ」

この言葉をいたら仕事は始まる。
暑い夏にビールがよく売れるが
サワーも売れる。ドリンクの利益で
居酒屋の経営は維持される。

なぜかハイボールの注文が多い。
ホッピーは定量の焼酎を出せばいいが
ハイボールは作らないといけない。
冷凍庫に入っているグラスの数が
少なくなってくる。

女子大生アルバイトから
「ハイボール作った子に話があると」
「マジ?」

なんかミスしたかな。
「私がハイボールを作りました」
そこには、スーツ姿の30代の女性が
一人でグラスを傾けている。
「これ、ものすごく美味しい。お願いだからウイスキーを
もう少し濃くして」
「はい、ダブルでいいですか」
「いいよ。勘定もダブルでいいから」
「かしこまりました」

親方に報告して許可をもらって
ウイスキーの量を2倍にした。

凍ったグラスに氷を入れて
ウイスキーを注ぐ。炭酸を入れて
レモンを絞る。絞りすぎはだめ。
マドラーで2回だけ軽く混ぜる。
女将さんの指示だ。

これは私が自分でお届けした。
一口飲んで「うまいね。でも、シングルをたくさん飲んだ方がいいかな。」
「あの。だめでしょうか。この味は」
「合格よ。ハイボールは冷えているからハイボール」

頭を下げて下がった。
次から次に注文が入る。

順番に酒を作りお出しする。
熱燗をつけるのも上手くなってきたかな。

あ、という間に閉店時間だ。
カウンターにいる女性はまだ飲んでいる。
寝ていた。

片付けが終わって、女将さんが
その客を起こした。

「すいません。いつもありがとうございます。
本日はこれにて、看板です。」
と言われてすくっと起きた女性は
「ごめん。寝ちゃった。」
勘定をはらい店から家に向かった。

賄いのおにぎりを食べて今日も終わったのだ。
開店前の夕食がつみれ汁とご飯と卵焼きだった。
夜食のおにぎりは、シャケだった。

さて、帰ろう。
歩いてアパートに向かった。
コンビニでタバコを吸っていたら
さっきの女性客が座っている。

「あの、大丈夫でしょうか」

「あ、居酒屋のお兄ちゃん」
「歩けますか。送りますよ。」
「タバコくれる」
「はいどうぞ」
水を買って、渡したらゴクゴク飲んでいる。
「ありがとう。お願いがあるの。マンションまで送ってくれる。」
「いいですよ」

と言ったものの立てない。
おんぶしていくか。
失礼して、スカートのスリットジッパーを
少しあげて、おんぶして送った。

野球部時代に先輩おんぶして走らされたな。
と思いながらマンションの部屋に送った。

このマンションがすごかった。

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